• ‘20191017’

珊瑚礁

こんばんは、Kenji です。

今日は、ちょこっと、お勉強でございます。意外に知らない珊瑚の事。ただ知っている人もいると思うので、そんな方は流して下さい(笑) 現在の宮古諸島周辺の水温は26~27度台になっています。これって珊瑚にとっては最高の好条件なんです。

南の熱い地域で生息する珊瑚ですが、実は暑いの苦手(爆) 珊瑚が生きていくのに快適だと言われている水温は25~28度程度と言われてるんですね〜 30度とかになっちゃうと約1ヶ月程度で、32度を超えてくると約3日ほどで白化現象が起き、珊瑚は真っ白になり人間で言うところの瀕死の状態になってしまうんです。でも、白化は瀕死なんで死んだわけではないんですね〜

これが元気な珊瑚礁。カラフルですよね〜茶色のも、もちろん元気な珊瑚です。では、なぜ、珊瑚の白化が起こるのか?色々と説があるそうで、代表的なのはオニヒトデによる食害、そして高水温。この二つは皆さんも聞いたことあると思います。他には強光や、淡水の影響、土砂や赤土などなど、ストレスを受ける環境になると白化してしまうんだそうです。

宮古では数年前に起こった高水温により大規模な白化現象で周辺域の珊瑚礁は、壊滅状態になってしまいました。ただ高水温に強い種もいるので、その種は生き残っていますし、この写真のポイントのように、潮流や、浸透水、若さ?などの影響で高水温に負けすに生き残ってくれて、どんどん成長してくれているポイントもあります。

その高水温は、台風が全く来ないから起きたんです。沖縄では台風も必要なもので、夏場には貴重な雨を、そして外洋の冷たい水と温まってしまった島近海の水を攪拌し、水温を下げてくれることで、珊瑚は夏場の高水温から守られていたんです。でも、2016年は、9月までまともに台風が来なくて水温は6月から上がりっぱなしで一時は34度台にまで上がっていました。それが2年連続で夏場に起こってしまったんです。

これが珊瑚の白化現象。一見、綺麗〜って思ってしまいますよね(汗)でも、これが珊瑚の瀕死の状態なんです。白化しても、この後、白化の原因がなくなり珊瑚がストレスを感じなくなると、珊瑚は元気に回復するのですが、この白化が続くことにより、藻が生えたり、そのまま弱って死んでしまって石化してしまうと、もう、戻らなくなってしまいます。

島に住んで19年になりますが、ここまで大規模な白化は初めての経験でした。それまでも何度か、潮位が下がり強い太陽の光を浴びて一時、白くなったり、高水温で一部が死んでしまったり、オニヒトデの食害で死んでしまうのは見ていましたが、ここまで酷い大規模な珊瑚礁の消滅を見たのは初めてでした。何もできないのがもどかしくて仕方なかったです。しかも、2016年の更に前、今から8年程前にはオニヒトデの大量発生による食害でもかなりやられていたため、まさに追い打ちをかけられた状態でした。

でも、全てが死んだわけではなく、こんなに元気に育ってきてくれているところもあります。白化前には何もなく珊瑚の墓場のようになってしまい、ガレ場になっていたところに白化前、もしくは白化の年に着底していた珊瑚が少しずつ育ってきているところもあります。場所によれば、後、2~3年もすれば、かなり珊瑚が育ってきてくれそうなポイントも沢山あります。

しかし、今度は、人災が待ち受けています。宮古ブームで一気に今まででは想像もできないほどの観光客の皆様に遊びに来ていただけるようになりましたが、その分、知識のない人やマナーの悪い人、モラルの欠片もない人、そんな人により、せっかく生き残った貴重なサンゴが踏み潰され、壊され、蹴られ、ボロボロになっているところもあります。

数日前も、大人数を連れているガイドが、お客様の管理もせず、ただ泳いでるだけ、挙げ句の果てには浅場でお客様がフィン先で珊瑚を練りまくっているのに気付きもせずに潜って他のお客様にバブルリングを見せて喜んでいる。浅瀬にいた方に珊瑚蹴らないでね!って注意した後、浮上してきたガイドに、ちゃんとお客さんみろ!!って言ったら慌てていましたが、本当に情けない。。。

観光客の人も魚を獲るために周りにある珊瑚を壊す、浮力もないから泳ぎ疲れたら珊瑚の上に立って休憩をする、マスクの調整や水抜きのために海面に顔を上げる際に、しっかりと海の中を確認せずに顔をあげるから、海中ではフィンで珊瑚を蹴り壊している。それを見ていても見て見ぬ振りするガイド、器材の使い方の説明もしないガイドやレンタル屋、それを聞こうとしないゲストや個人で入って遊んでいる人。

その人達って、何がしたいんでしょうか?綺麗な魚や海を見たいからスノーケリングやスキンダイビング、スキューバダイビングをするために、わざわざ高額な旅費を使ってまで宮古へ来るんですよね?そんな綺麗な魚や海を作り育てているのは珊瑚礁なんです。それを壊すと言う事は、自分で自分の遊び場を楽しみを壊してしまっていることになぜ気づかないんでしょうかね?

海に入るなとは言いませんし、言えませんが、最低限の知識とマナーを守ってみんなで残るわずかな貴重な命を綺麗な海を守っていける環境ができるといいですね。

こんな事、あまり書きたくないですが、今年は異常に珊瑚を破壊する、魚を獲る人を見かける事が増えたので少しでも、そんな人が少なくなってくれる事を願い、今日は、こんな記事になってしまいました。

伊良部島をベースにマリンガイドやフォトツアーやってます。

伊良部島をベースに宮古島、池間島、来間島、下地島、大神島、ゲスト様のリクエストに合わせ、その日、その日の最適なコンディションの海でシュノーケルやスキンダイビング、スキンダイビング講習、フォトツアーを開催しています。


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